心に残る旨し酒「岩の井」
創業は、享保8年(1723年)と伝えられ、代々当主の副業的に受け継がれて来ましたが、大正時代より本格的に酒造りに力を入れ、昭和22年全国清酒鑑評会で首席を受賞したこともあります。現在の岩瀬能和は、11代目になります。
先代の禎之氏(故人)は、戦前から海女を撮り続け、毎日新聞社主催の展覧会で、「総理大臣賞」を受賞した写真家でもありました。(代表作:写真集「海女の群像」)
お酒造りのこだわり(山廃と熟成古酒)
蔵から10分程で「月の沙漠」と命名された御宿海岸が拡がっています。蔵の仕込み水は、海岸に近いため地下水が貝殻層を通り、「水質硬度240」と日本国内でも硬度が高い水です。カルシウムやマグネシウムが多いと養分が多く発酵が旺盛します。硬度の高い水を使用し「山廃酛」で仕込みをすると、旨味のある濃醇で酸のしっかりしたお酒になります。岩の井の酒質の特徴である、米の旨味を引き出すために「山廃仕込み」にこだわり、現在、全体仕込み量の三分の二以上を「山廃仕込み」で醸しています。大吟醸を除けば原料米のほとんどを千葉県産にこだわっています。