松岡醸造

埼玉県で業界トップクラスの特異な硬水を全量無加工で使用し仕込む帝松。元々は新潟、越後頸城郡柿崎で酒造りにかかわる家柄に生まれた初代・松岡祐右ヱ門。1851年(江戸時代:嘉永四年)に水・米・消費・物流など、酒造りに適した環境である埼玉県小川町にて創業。現在に至る。地下130Mより汲み上げる、日本酒において硬度トップクラスの特殊な〝石灰岩系″の硬水を使用。鉄分がほとんどなく、カルシウム分の多いこの水は無加工で使用することできる。同じく硬水の灘の酒は男酒といわれ、反対に軟水系の伏見の酒は女酒といわれる。弊社は灘以上に硬水だが、コンピュータ管理で発酵温度をコントロールし、さらに鉄分を含まず柔らかさがあるため、男酒と女酒の中間、現代でいうところのジェンダーレスなお酒が出来上がる。現在7代目が酒質コントロールをしており、辛口ながら香りとコクもある「帝松 虎ノ巻」シリーズや、日本酒では世界で唯一のプリムール酵母を使用した「帝松 褻と霽れ」など、独創的な酒質を醸している。

現在若手の働き手が増え、平均年齢38歳。酒造りに携わり40年となる、南部杜氏の資格も持った松岡則夫（社長弟）の元、次世代の造り手を育成中。

酒造りだけでなく、地元農家と連携し、米作りも行っている。蔵見学も国内外から訪れ、蔵を知り、想いを知り、よりディープにお酒を楽しんでいただいている。フルーティーなお酒だけでなく、技術は進歩しても「日本酒らしさ」をしっかりと維持し、いつの時代も愛されるようなお酒を文化ごと広めていけるようにしたいと考えている。